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ブロック崩し ブロック崩しのページ 畑山畑

はためーわくな訪問者

どこにでもあるアパートの一室、それが私の住処です。

「…………」

おはようございます皆の衆。
私はたった今起床した。

「うにゃ……」

ふとんから上体を起こして伸びをひとつ。
現在7時45分、実に穏やかな休日の朝。
カーテンから朝日が差し込むので、もそもそと一日の用意を始める。
着替えてごはんを作って食べて、さてレンタルしてた映画でもみようかと

  ドン!
「だっはー!」

  ガン!
「ぐお…!?」

 ごしゃん!!
「ドムー!!」

「…………」

なんでやねん。

「かーイッテーー……!うおっ!?なんじゃこりゃあ!!」
「なんだここは!」
「ネオトピア~?……じゃないドム~~」

…………えーーと。

「……」

「ああん!?おいなんかいんぞ!」
「誰だお前は!」
「有機物ドムー!」

狭い部屋に出現した3人(というか3体)がそれぞれ得物を向けてくる。
マシンガン、かぎ爪、バズーカ。

「…………ふゥ」

すたすたとそいつらの横を通り過ぎ、台所へと歩みを進める。
愛用の湯のみを取り出しやかんの中身を確かめた。
まだお茶が残ってたので丁寧に湯のみへ注ぎ込み、手櫛で髪を整える。
朝は少し肌寒い。厚めの上着を羽織ったら、そのままちゃぶ台の前に正座する。
沸かしてないので当たり前だが、冷めたお茶をすすって一言。

「今日も平和だ」

「「「どぁああぁあ!!」」」

何故かみんなしてずっこけた。

「ズッコケ3人組?古いですよ」
「なにがしたいんだよオマエ!!」
「そうだ!そもそもここはどこで貴様は誰だ!」
「武器ー!おれの武器ー!」
「最後のセリフはよくわかりませんね」
「ああん!?なァにいってんだ、おれサマの質問に答えろ!」
「違うだろう、オレの質問に答えるんだ!」
「武っ器ーーーー!!」

「……二度寝したつもりはないんだけどな」

やけにはっきりしてるが夢なのかこれは。
だとすると私にはちっさいモビルスーツとわきゃわきゃしたいという願望があるらしい。
心理学的に分析すると面白い結果になりそうだ。

「――あ、フローリングに足形つきまくってる。やっぱり体重あるんですね」
「んぁ?……うぎゃあああ!!よくみたらここも有機物だらけじゃねーか!!」
「チッ!どいつもこいつもロクな趣味してねえな!」
「ドムーーーー!!」

いよいよどこかがブチ切れたらしいドム(仮)さんが、ローラーダッシュで部屋中をめちゃめちゃに動き回る。

   ―――ドンドン!!

そしてとうとうお隣さんから壁を叩かれた。
はいうるさいですね申し訳ない。

「もしもし、近隣から苦情が来るので落ち着いてくださいお三方」
「うるせー!これが落ちついてられるかってんだ!おれサマたちはネオトピアに来たはずなんだよ!ネーオートーピーアーに!!」
「さては貴様が犯人だな!」
「なんのことやら。ああそこ、食器棚を倒そうとしない」

もはやカオスが生まれつつある。
棚が倒れても大丈夫なように、あらかじめ皿を避難させておこう。

「どこだここはー!!」
「あのね」
「そうかお前、まさかガンダムフォースの連中の仲間か!」
「ちょっと」
「武器ーー!おれのギャロップーー!!」
「静かにしてくれると嬉しいんですけど」

腕の中に食器を重ねつつ、話しかけても声は届かず。
めいめい勝手に騒ぎ続け、ついに赤いザク(仮)さんがマシンガンの引き金に指をかけ……──こいつッ!!

「るっせェな静まれっつってんじゃろがワレえ!!!」

  ごがしゃぁあっっ!!!

「「「…………」」」

あ。まずい。
とっさに皿を6枚くらい叩き割ってしまった。

同時に破片で指がちょっぴり切れたので、したたる血をなめとりながら にっこり。

「……だまってね♪」

「…ハイ」「…ああ」「…ドム」

なんだかおかしなことになってしまったが、たぶん気にしたら負けだろう。
壊滅的に散らかり倒されたアパートの一室。奇妙な物語が動き出した。

(さて、このあとどうしよう)

(…おい、なんだよあいつ!)
(知るか!こっちが聞きたいぜ!)
(こわいドム~)

2013年 12月20日