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ブロック崩し ブロック崩しのページ 畑山畑

2人は仲良し!

「ふむ。つまりアルケイドは荒事が得意でない?」

運び屋の口からそんな問いが投げられたのは、デスクローの群れからなんとか逃げきれた直後だった。

「今更すぎないかその疑問」

アルケイドがうめく。
端正な顔立ちを苛立ちか痛みか、あるいはその両方に歪めて、スティムパックを自らの二の腕に突き刺した。
周囲は岩場。
ここ一帯はもう縄張りの外らしい。辺りを注意深く観察しても足跡や爪痕は見当たらない。
しばらく休憩する時間は確保できそうだと判断して、彼は適当な岩かどに腰かけた。

「だってお前、質問とかよくはぐらかすし」

などと言いつつ、運び屋も近くに座り込む。
セイザとかいうやつだ。膝関節を痛めそうな座り方である。
そんなよく分からない習性には突っ込みを入れないことにして、彼は静かにかぶりを振った。

「そうだな、その質問には答えよう。お察しの通り荒事どころか君の言う”探索”にも向いてない。しかし世間は思った以上に広いみたいだ、まさか”ちょっとした探索”がデスクローの群れに特攻することを意味するなんて」
「全くだ、常識は当てにならないね。誰だろう最初に『ちょっとその辺探索しよー』なんて言い出したのは」
「君だ」
「ちっ、気づいていやがったか」

運び屋は全く表情を変えずに言い放った。
それを受け、アルケイドはこれ見よがしに嘆息する。

「……」
「……」

眼鏡越しの不機嫌な視線と、泥沼のように無感情な視線がかち合う。
先に目をそらした――というより、飽きたのは運び屋の方だった。
頭上から照り付ける太陽の日差しを、今気づいたと言わんばかりに振り仰ぐ。

「暑いな。水飲んだら戻ろう」
「いいアイデアだ」

運び屋はサボテン水の入ったボトルと、スティムパックを3本ほど仲間の医者に投げ渡す。

「どうも。君の親切さに涙が出そうだ。これで無鉄砲なところさえなかったら最高なんだが」
「お前もその皮肉さえなかったら辛うじていい奴だとは思うよ」

はははは。
モハビ砂漠の乾いた空に、2人分の乾いた哄笑が響き渡った。
やけくそに。
響き渡るしかなかった。

2017年 3月24日