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ブロック崩し ブロック崩しのページ 畑山畑

Amazing World!

やあやあ皆様こんにちは、私はユーリ!どこにでもいる平凡な~ってこれもうやったね!

「虚武羅丸か。……そやつは?」

簡潔に言おう。
拉致された先はお屋敷でした。

どっかの時代劇で御老公が印籠出してそーな所って言ったらいいのかな?
屋敷の方にトゲトゲ金ぴかロボがいて、庭の方、つまり私の真後ろに4人くらいロボがいた気がするよく見てなかったけど!
庭の白い砂の上、コブちゃんは金ぴかガンダムに向かってひざまずく。でも私は立ってるよそんな気分だし。

「どもどもー」
「なんだこいつは!?」
「騎馬王丸様、うかつに近づかれぬよう!」
「虚武羅丸……こんなものを拾ってきて一体どういうつもりだ」

後ろでおじさん連中がなんか言ってるのは華麗にスルー。
きっと殺気とか飛ばしてるんだろうが残念だったな!私にそんなもの読み取れるワケがない!ははははー!!

「で、騎馬王丸さんですか。……えーと、あれ?意外と背ぇ低いですね。私よりちっちゃそう」
「貴ッ様ァ!!無礼な!」
「にきゃあ!!?」

禁句だったのか、とたんに銃やらトゲやらよくわからない物体やらが突きつけられる!
右から左から斜め下から上から……上?

「と……飛んでる!?すごいなにそれどーゆー原理!?気合いか、気合いで空中浮揚!?」
「……このような怪しい者、騎」
「なんですとぉおおお!!?」
「ええい今度は何だ!」

銃(と思ってたもの)を突きつけてたおじさんが叫ぶ。そう、てっきり銃だと思ってたら!

「ううう、腕がたくさん!鉄球!?飛んでるし!そんでハンマァ……地味だ!すごいけど一人だけ地味だ!!」
「やかましいわ!!」

怒られちゃったぜ!
よく考えたらでっかいハンマァかついでるのに地味なはずはないんだけど、なんとゆーかぱっと見のノリが。
ああもうそんなことより。

「あああああああああ」
「……いいから黙っていろ」

現在進行形で刀向けながら言うかいコブちゃん。

「うう、だってだって!ロボで改造だよ!?目からビームに多関節、胸からミサイル腕からロケット殴り合い!!これぞまさしくロマンだよ!
なにここすごい理想郷!住みたい!!」
「……騎馬王丸様。この小娘、確かにこの世界の生物にあらず」

コブちゃんコブちゃん、その言い方だとまるで私のさっきのセリフが天井知らずに非常識だったみたいじゃないか!

「ふうむ……」

おヒゲの金ぴか武者さんは、なにやらてくてく……じゃないね、がちゃがちゃこっちに歩いてきた。

「…ー……」

……ん?なんか言ってるぞ?
よくよく耳をすましてみよう。
そうこうしているうりにもゆっくりと、両腕をこちらに差し出してきて、

「………ぷにぷに……ぷにぷに……」

「…………」

~~しばらくお待ちください~~

そんなテロップが流れた気がした。

おめでとう。
本日一番の恐怖はあなただ。

「うっ……ひぃああああああああああ!!!」

なんて言ってる場合じゃなーい!
ひとまず防御力が高そうなトゲトゲ鉄球おじさんの後ろへ!
誰かが「こらやめろ!」とか「おい!!」とか言ってるのをガン無視して、鉄球の後ろに隠れてひたすら震える!だってだって!

「怖いぃぃいぃっ!!
たとえるなら誰もいない公園で生のサバくわえたサラリーマンがリンボーダンスしてるくらい怖いぃいいっっ!!」

「なんだそりゃ」

例えだ例え!!鉄球ロボはシュールという言葉を知らないな!?当たり前か!!

「……」
「こっ、こっち来るなー!ゲキレツに嫌な予感しかしないよ!?……はっ!セクハラか!セクハラするつもりなのか!!」

ほとんど自分でもなに言ってるのかわかんなくなってきた!
ぷにぷにがだめだからって無言で近づくのやめてほんと!怖いから!!
あまりの恐ろしさに犬歯をむきだして威嚇してると、今度は。

「ふっ……ははははは!」

大口を開けて……はいないけど、そんな感じで笑いやがりましたよ騎馬王丸さん。なにがそんなにツボったの。

「面白い、儂を相手にそこまで道化を貫き通せるとはな」
「んんー……?うんまぁ、友達にも『あんたがテンション上がったら誰にも止められないよね。止めたくもないけど』とか『落ち着け。いーから落ち着け』とかよく言われる」

あれあれ、皆さん納得したように頷きましたよ?
気を取り直したように騎馬王丸さんはこう続ける。

「お主はラクロアやネオトピアにいるという『人間』だな。名はなんという」
「ユーリです。よろしくー」

よしよし、もう怖くないな。
にぱっと営業スマイルをふりまけば、色々うまくいくような気がしてきた。
そしてそして。


日本庭園に影が2つ。
猛禽と毒蛇。相容れぬ者らが顔を会わせば、当然のように始まる応酬。

「随分と厄介な客を連れ込んだものだな、虚武羅丸」
「……猛禽丸」
「あんな生き物が役に立つとは思えん。騎馬王丸様も何をお考えになっているのか……」
「はいストーーーップ!!」

  ぱちこーーーーんっ!!

「「……」」

そこに飛び込む影ひとつ。
とーぜんのことながら!私だ!!

「――ふっ、私の一撃を受け止めるとは!なかなかやるな飛んでる人!」
「猛禽丸だ。何が一撃だ、目をつぶっていても防げるわ!」
「ユーリさん特製ハエ叩きをなめるなよ!それはそうとコブちゃんの悪口をあああー!」

せっかく作った木製ハエ叩きがコブちゃんの手によってへし折られ、ぺいっ、と庭の方へと捨てられる!

「余計なことをせずに大人しくしていろ」
「だってヒマなんだよう」
「暇なら暇らしく庭にでも埋まっていろ」
「なんでっ!!?」

激しく聞き返すが、コブちゃんには無視を決め込まれる!くぅっ!表情が読めないとは卑怯だぞガンダム!
やりとりをみていたトリっぽいの(まだ名前覚えてない)は、皮肉たっぷりな視線をよこして、

「ふっ……変わり者同士、精々仲良くしたらどうだ」
「……」
「いいね!」

片やものっそい嫌そーな目付きで。
片やものすごく嬉しい気分で。
全くもって正反対の応え方をした2人、果たして分かり合える日は来るのだろーか。

「ねーねー、しっp」
「断る」
「まだ何も言ってないよ!?」

……それはたぶん、この世界の神のみぞ知る。

2013年 11月13日