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ブロック崩し ブロック崩しのページ 畑山畑

Wonderful World!

「うひょあああぅあぁあああ!!」

やぁみなさんこんにちは!
私はユーリ、どこにでもいる平凡な女子校生☆
テンションがうざくてごめんほんとごめん!でも今はしょーがないと思うんだ許してえ!!

「なんとしても騎馬王丸軍を押し返せえ!!」
「ひるむな!!全ては天宮統一のためにー!!」

突然だが現在地点は合戦場。
真っ平らな地面がどこまで~~も広がっていて、そこにぎっちり武者っぽいものたちが詰まってる。

「なんだこいつはー!」
「新手の敵か!?」
「わからないから斬っとくブッシー!」
「いやああぁああぁああ!!」

ここで問題が3つ!
問題その1、なんで私戦国時代にタイムスリップしてるの!
問題その2、なんでちっこいガンダムが意思とかもって戦ってんの!ガンダムって乗るもんだよね!だよね!?
いよいよ問題その3だ、これが一番厄介なのだよ!

現在進行形で殺されかけてます本気で死にそう。

本気と書いてマジと読む!
なんだよあんた達自分の敵とだけ戦っててよ!ついでで斬りかかるな!
私は逃げるさ戦場を駆け抜ける硝煙を纏った疾風の如く!!

「ぷにぷにの生物だと!?」
「あれはなんだ!生き物か!?」
「!………!?」(二度見)
「見るな!くるな!あっち行けー!」

なるだけ身体をかがめてガンダム(?)たちの隙間を縫うように進む。
うわ矢が近くを通ってった!そーゆーのやめてお願い助けてプリーズ!

……あれ、でも攻撃してくる奴もいるけど、遠巻きに見てる奴もいる?
は!そうだ!

すかさずその場で仁王立ちになり、ばっ!!とマントをはらうよーな動作をした!
※着てるのは制服

「わたっ……私に近づくと!伝染うつるぞ!!」

びたりっ。
すると面白いように戦場の空気が凍り付く。
……ちょっと釈然としないけど今だ!
脱兎の如く逃げ出して、さっき視界の端に見えた山の方へと走り去った!
どーでもいーけど伝染うつるってなんだ!うつるはないでしょ10秒前の自分よ!!


痛むわき腹かかえつつ、やっとの思いで目的地付近まで辿り着いた。
手近な木にふらふらと近づく。

「はあ…はあ…けほっ、は…っ」

杉かヒノキか知らないけど、それっぽい気の根元に背中を預けて、ずべべべべべ……と座り込む。大丈夫、この制服頑丈なのがウリだから。
木と枯れ葉と土の香りに包まれて、やっと一息。

「はぁ……あ~~~」
「おい」
「ひっい!!?」

ひゃっほう!見事なお約束ぅ!!
斜め後ろからの低い声に、【ザ・恐怖!】てな感じでかたまる。
すると首もとに白い刃を突きつけられたよ!今日一日で何回殺されかけたか数えてみよう!

「貴様は何だ」
「『何だ』って……!『誰だ』じゃなくて『何だ』ときますかオニーサン」
「答えろ。貴様のような生き物は見たことも聞いたこともない、返答次第では騎馬王丸様に献上するか今ここで、」

首もとにかかる力がわずかに増す。生ぬるい感触が鎖骨のあたりに……血ぃ!これ絶対血ィ出てるよね!!
どーでもいーけどやけに早口というか流れるように話すなこの人!
あとキバオーマルサマってだれ!騎馬王丸!?漢字変換これで合ってる!?

「殺す」

言い足さなくていいよお!大体予想ついてたからあ!

「あ……わっ……わたし、は……!」

落ち着け、落ち着け、がんばれ自分。
静かに拳を握りしめ、頭ん中ひっくりかえす勢いで的確な言葉を探す!

「私は……たぶん、この世に2人といない珍しい生き物、です!殺すよりも生かして騎馬王丸様とやらに引き渡した方がいいかと……!」
「ほう……小娘のくせに一人前に意見するか大したものだ」
「ど、どうも?」

やっぱり早口だな。無駄にいい声だけど。

「ふうむ……確かに騎馬王丸様の判断を仰ぎ利用価値がなければ殺すとした方が得策」

今度は自分の世界に突入ですか。いいけどね。いいけどね!

「せめてこの刃物はどけてくれると嬉しいな!」
「おい小娘」
「無視ですか」
「貴様を騎馬王丸様のもとへ連れて行く」
「うんそれは話の流れでわかってーえーあー!?」

【木の根元へ座り込み】から【謎のロボに俵担ぎされる】の状態にポジションチェンジしました!?

「いててて!痛い!硬いよオニーサン!あ、ところでお名前なんてーの?私はユーリ!」
「虚武羅丸だ」
「ぶはっ!!」

たまらず吹き出す。

「俺の名のどこがおかしい」
「ふ…ふひっ!だってコブラって…コブラって!
あ、よく見たらむら、さ、き……!あっははははっ!着ぐるみ!なにこのヨロイ、しっぽ!しっぽまである!あはははははは!!」
「………」
「いででででで!やめて痛い足が!足が死んじゃう!」

なんだかんだで謎のロボット・コブラ丸に連れ去られることになりました。
前途多難の五里霧中、断崖絶壁出たとこ勝負!

「コブラ丸……コブラ……コブやん、コブっち、コブちゃん……?ねーねーコブちゃんって呼んでいい?」
「お前もか」
「なにがー?」
「いや……やめろと言ってその通りにするか?」
「あはは、まっさかぁ」
「……好きにしろ」

とんでもないことになったけど、不思議と恐怖はわいてこない。
一時間後くらいにはあっさり死んじゃってその辺に転がってるかもしれないけど!

「こんなにワクドキするの小さい頃以来かなぁ!わけがわからなすぎて一周回って楽しいかも」
「安心しろ、一番訳が分からんのはお前だ」
「あはー、そんなバカな」

流れていく景色、頬を切る風、土ぼこりと硝煙のにおい、張りつめた空気に青い空。
真昼なのに2つも浮かぶ三日月が、どこか優しく地を見下ろす。

何もかもが未知なこの世界で、私はただ胸いっぱいの歓喜を抱きしめた。

「いやっはーーーー!!」
「黙れ!」

2013年 11月9日